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イチから作るカレーライスの記録⑫脱穀

更新日:2023年9月1日



令和3年、10月10日


トントントントン、ブンブンブンブン、


リズミカルに足踏みでロールを回し稲を当てていくと、ロールについている棒に籾が引っかかり外れていく。


トントントントン、ブンブンブンブン、


勢いよくロールを回していかないと、そして、しっかりと稲をもっていないと、お互いが引っかかって止まっちゃうんだ。躊躇しないで力強くやってみて。


教科書で見たような昔ながらの農道具。


ほんとに昔の人の知恵ってすごいよなぁ。


そんな足踏み脱穀機を使って、この間刈って天日干しした稲の脱穀をしたよ!


手作業での脱穀作業

意外と難しいこの足踏み脱穀作業。


仕組みは案外簡単なんだ。くしで髪の毛をとかしていくのと同じ原理だよ。そのくしの部分を固定しておいて、そこに稲を入れて引いていく。より原始的なそういう固定式のものもあるんだけど、それじゃ時間がかかりすぎちゃうからと、↑のようにロールに棒をつけてそのロールを足踏みで回しながら稲を当てていくような道具に進化したらしい。そして今回はそんなロール式の足踏み脱穀機で脱穀作業をやらせてもらったんだ。


これが結構大変だった💦


ロールを勢い良く回していないと稲が引っかかって止まってしまう‥ とはいっても、勢い良く回して稲を当てていくと、今度は稲が引っ張られてしまう‥ といった具合‥


私たち素人のぎこちない手つきに見かねて、隣で一緒に足踏みをしながら稲を支えてくれるともくささん。「稲をしっかり持っていないと引っ張られちゃうんだよ。」と、力の入れ方を教えてくれる。


なるほどなるほど、こういう感覚なんだな。


少し一緒にやってもらったら感覚がつかめてきた。そして、このまま農家さんにリードしてもらいながら全部をやるんじゃもったいないよな。そんなふうに感じてきた私。


「ともくささんに頼らないで、自分たちだけでやってみようよ!」と声をかけてみる。


そして、自分たちだけでこの脱穀作業をやってみたんだ。




だんだんコツがつかめてきたよ。子どもたちは、2人組になって、足踏みする人、稲を押さえる人、と分担したりもして、そしてこのリズムが楽しくもなっきて、そして大人も、作業を楽しめる余裕が出てきた。


ここに来てくれたみんなにそれをやってほしかったから、「まだやってない人―」と声をかけながら進めていき、大人も子どももみんなで足踏み脱穀をやっていったよ。


そんな今日の参加者は、いつもの3親子。

あとはね、ほんとはきーちゃんも来るって言ってたんだけど、直前になって都合をつけられなくなってしまい、急遽不参加になったんだ。


かなちゃんの葛藤

みんなで楽しく脱穀作業!最初は難しかった足踏み脱穀もコツをつかんできたら楽しくなってきた!「昔の人がこういう農作業の時に唄を唄い出した理由がわかるよね~。」なんて話しながら、リズミカルに作業を進めていく。


そして、「まだやってない人いるー?」と声をかけていって、途中、かなちゃんもこの作業にトライしてみたんだよね。


そしたら、やっぱり最初は難しくて、足踏みで回しているロールに稲を当てていったら、ガガガッって稲がひっかかって引っ張られちゃったんだよ。稲を押さえている力が弱かったみたいで。


すると、そのあと、


かなちゃんは、「もういい。」と言って、農家さんのお家の縁側でネコと遊んでいたよう君の方に行っちゃったんだ。そしてかなちゃん自身もネコと遊びだした。


んー。。。なんか違うんじゃないかな、と思った私。


  • ちょっとやって上手く出来なかったからって、「もうやらない。」 

  • 小さい子が作業をやらないで遊んでいても怒られないからって、自分も遊ぶ。


んー。。。やっぱり違うよな、、


特にかなちゃんの場合は、自分と誰かを比較する癖がある。「よう君が遊んでいるから、自分も遊んだっていいはず。」「今日来てない人だっている。自分だって気が乗らなければ作業しなくてもいいはず。」そういう捉え方なんだよね。


でも私からみたら、よう君は5才(年中さん)、かなちゃんは6年生、わかる部分が違うでしょ!?って思っちゃう。やりたくないからとその作業をすることを止めたら、カレーライスは完成しなくなるでしょ!?って思っちゃう。


だから、その気持ちを、作業をやめて遊んでいるかなちゃんに伝えに行ったんだ。


でもその伝え方が、ちょっと感情的で一方的なものになっちゃったんだよね‥「やらないなら帰って。バスを使えば帰れるでしょ。それにここでやめるってことはカレーライスも完成しないってことだから。他の人がやったものを食べるのは違うから。カレー部からも抜けて。」って、そんな感じで言っちゃったんだよね‥


‥(/_;) 反省だなぁ


納得できないかなちゃんは、ワァー、ワァー、ワァー、って泣いちゃった。


それでも帰らなかったかなちゃん。だけど納得できないから、作業にも戻ってこない。車の陰に隠れて泣いてうずくまっていた。


私もちょっとカァーっとなっちゃったよな。。それにかなちゃんの気持ちもわかる。ずっと、弟くん(とーくん)に羨ましいという感情をもって育ってきているし、しかも、いい子過ぎて、幼少期に自分のわがままを出していく、そういうこともやらないままきて今になってしまっているんだろうし‥


だけど、やっぱりこのまま彼女の行動を受け入れるのは違うよな。と思い、改めてかなちゃんに伝えに行った。


今度はちゃんと、私がそう思う理由も説明したんだ。


「今日、きーちゃんは来たくても来れなかったんだよ。だから、ここに来れた人は、来れなかった人の分も全力でやらなきゃいけないんだよ。だって、『イチから作るカレーライス』なんだから、途中で作業をやめたらそれは完成しなくなるでしょ。


だから、途中で作業をやめる=カレー部をやめることと同じなんだよ。」「自分で選択すればいいよ。やるならやる。やめるならやめる。ただ、やめる=カレー部から抜けるってことだからね。そこまで考えて決めて。」



そしてしばらくしたら、かなちゃんは作業に戻ってきた。


優しいお母さんたちは、かなちゃんが脱穀作業できる分の稲をとっておいてくれていた。そしてかなちゃんは、脱穀作業に再び加わっていったんだ。



******


かなちゃんへ


自分の納得がいかないことには体が動かなくなってきているよね。でもそれって、ママ(私)は、すごくいいことだと思うよ。


だって、今まで、たくさんの「我慢」を知らないうちに溜め込んできていて、自分の気持ちよりも先に「とりあえずみんなに合わせておく」だったじゃない。そこに自分の意思を乗せていなかったあなただから、「とりあえず」や「なんとなく」ではなくて、自分の意思で動こうとしていること、自分の意思に合わないときには動けなくなること、それはすごくいいことなんじゃないかな。と思うんだ。


今回も、ママ(私)の言っている意味を理解できたら、自分で「作業を続ける」という選択をしたでしょ。だから嬉しかったよ。自分でそれを決めてくれたこと。そして、「やめる」という選択じゃなかったことも。きっとそれは「イチから作るカレーライス」の意味も理解してくれていたからだよね。ありがとう。


*******



脱穀完了


さて、足踏み脱穀機で稲わらと籾を分けられたら、今度はそれをふるいにかけて細かいゴミをとっていくよ。段階に分けて、徐々に編み目の細かいふるいにしてふるっていく。


こうやってできたお米



これをこの籾付きのまま保存しておいて、食べる前になったら、籾すりと精米をするんだ。そうやって、やっと食べられるお米になるんだよ🌾

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